KeePass 2の使い方

2021年3月27日

KePpass 2とは

KeePass 2はパスワード管理のためのフリーかつオープンソースのデータベース・ソフトウェアです。多くのパスワード管理ソフトがクラウドでパスワードを保存しますが、KeePass 2はローカルのPC上にデータベースが保存されます。他のPCやスマホとデータベースを共有する場合は、別途クラウドストレージサービスを準備し、そこに保存する必要があります。

クラウドサービスではないので連携に不便な点があると思われますが、KeePass 2はただのパスワードマネージャーではありません。単純にパスワードだけを記録するのではなく、テキストで付加情報を記録したり、登録した項目に添付ファイルを付属させることも可能です。例えば、あるサイトに登録したとする場合、ユーザー名とパスワードの登録に加え、サイトのログインURLやサイト登録時に送られてきたメール内容を記録しておく、送られてきた添付ファイルも登録しておくなど、情報の一元管理が可能です。

ただ、情報にファイルを添付する場合、PC内に保存してあるファイルにリンクするのではなく、ファイルごとデータベースに取り込むので、添付ファイルの容量に合わせてデータベースの容量も大きくなります。

ファイルごとデータベースに取り込んでいるので、PC内で元のファイルを削除してしまっても、KeePass 2内には添付ファイルは残ることになります。

私が使い続けている理由はただのパスワードマネージャーでは無いためです。

KeePass 2のインストール

まず、ダウンロードサイトからインストーラーをダウンロードしてください。
ダウンロードはこちら → KeePass 2のダウンロードサイト

Installer for Windowsのリンクからダウンロードしてください。

ダウンロードして保存したファイルをダブルクリックするとインストールが始まります。インストールに使用する言語が日本語になっていることを確認して「OK」をクリックしてください。

使用許諾契約書の同意で「同意する(A)」にチェックを付け、「次へ(N)」をクリックしてください。

コンポーネントの選択は何もせず、「次へ(N)」をクリックしてください。

追加タスクの選択も何もせず、「次へ(N)」をクリックしてください。

インストール準備完了の画面になるので、「インストール(I)」をクリックしてインストールを開始しましょう。

インストールが完了したら「完了(F)」ボタンをクリックして完了です。

KeePass 2の初期設定

KeePassを初めて実行すると何もデータがない状態で起動します。ですので、データベースを新規に作成しなければいけません。起動したソフトの左上の新規追加アイコンをクリックしてください。

「News Database」というダイアログが出てきます。「OK」をクリックしてデータベース作成を開始しましょう。

データベースファイルの名前と保存する場所を聞かれます。下図はマイドキュメント内に「Database」というファイル名前で保存することとしています。

マスターパスワードを決めます。これは、KeePass 2を起動した時に毎回入力するパスワードです。「Master password」と「Repeart password」の両方に同じパスワードを入力し、「OK」ボタンをクリックしてください。

パスワードが短いと、パスワードが弱いと警告が出ます。「本当にこのパスワードを使いますか?」と問われるので、短くて問題ない場合は「はい」をクリックしてください。

データベース名を決めます。「Database name」の箇所に名前を入力してください。下図では例として「my_password_db」としています。

Emergency Sheetというダイアログが出てきます。これは、最初のパスワード等を忘れた場合に復旧するため、これまで入力した情報を印刷するかどうかを聞いてきています。印刷する場合は「Print」をクリックしてください。Windowsの印刷画面が開きます。必要ない場合は「Skip」をクリックしてください。

以上でKeePass 2の初期設定は完了です。

KeePass 2の利用

KeePass 2に情報を登録する

KeePass 2を起動すると初期状態が下図の様になり、左側にGeneralやWindowsなどといったグループが初期設定で用意されています。また、右側にはサンプルのデータも準備されていますので、必要なら参考にしてみてください。

それでは、新たな情報を登録したいと思います。まず、左側のグループからWindowsを選びます。次に右側のなにもない部分で右クリックをすると下図の様なメニューが開くので、「Add Entry」をクリックしてください。

新たにできたEntryという名のデータにはパスワードが自動で初期値として入力されています。これは使っても使わなくても良い情報ですので、気にしないでおいてください。

まずは、登録する情報とユーザー名を入力します。下図ではTitleに「Sample Data」、User nameに「John Doe」と入れています。具体的に入れるなら、サイトにログインするログイン名をUser nameに入力しておいてください。次に、Password に自動で登録されていたパスワードを変更します。Passwordの列の右にある「・・・」をクリックしてパスワードを表示させましょう。

パスワードを表示させた状態が下図の様になります。既に決まったパスワードがあるのなら、この部分を書き換えてください。書き換え終わったら右側の「・・・」をクリックしてください。これでパスワードが登録できました。登録できたら、下にある「OK」をクリックしてください。

以上で、データベースに情報が登録されました。

パスワードをランダムで生成する

パスワードを自分で考えるのは面倒なので、KeePass 2に自動で生成してもらいましょう。まず、登録したエントリーをダブルクリックして下図の様に表示させてください。先程パスワードを登録する時に使った「・・・」の下にあるアイコンをクリックしましょう。

メニューが出てくるので、「Open Password Generator…」をクリックしてください。

パスワードジェネレーターが起動します。まず、サイトによってはパスワードの長さが決められている場合がありますので、パスワードの長さを決めましょう。「Length of generated password」の右側にあるのがパスワードの長さになりますから、適切な数値に設定しましょう。次に、パスワードにする文字を決めます。サイトによっては英数字だけでなく、記号も混ぜないといけないところもあります。ですので、使用する記号の左側にあるチェックボックスをクリックしてください。パスワードの長さと文字が決まったら、「OK」ボタンをクリックして完了です。

付加情報の登録

ユーザー名とパスワードだけでなく、その他の注意事項等を文章で付加することができます。「Notes」という欄に記入しておきましょう。私は登録したのが何のサイトかわかりやすくするために、サイトに登録した際に送られてきたメールをそのままコピー・アンド・ペーストして登録しています。必要ならばURLという項目に、ログインURLを入れておいても良いです。記入が終わったら「OK」ボタンをクリックして完了です。

データ登録が完了すると下図の様になります。付加情報は画面下にそのまま表示されます。

グループの追加

データの登録はできましたので、次はグループの追加をしましょう。左上の「Database」という項目を右クリックすると下図の様なメニューが出てくるので、「Add Group…」という項目をクリックしてください。

追加したいグループ名をNameのところに記入してください。下図では「New Group」としています。記入したら「OK」ボタンをクリックすれば完了です。

下図の様に、「New Group」という新たなグループが登録されました。

ファイルを添付する

まず、登録したエントリーをダブルクリックして下図の様に表示させてください。「Advanced」タブをクリックしてください。

「Advanced」タブの右下に「Attach」というボタンがあるのでクリックすると、メニューが出てきます。そこの「Attach File(s)…」をクリックしてください。

添付ファイルを選択する画面になります。試しに「Sample Document」というPDFファイルを選択してみます。選択したら「OK」ボタンをクリックしてください。

下図の様にPDFファイルが添付されました。添付が確認されたら「OK」ボタンをクリックしてください。

元の画面に戻ると、下図の箇所にSample Document.pdfというファイルが添付されていることが分かります。

他のデバイスで作成したデータベースを開く

他のデバイスにインストールしたKeePass 2で、上記で作成したデータベースを開けます。まずは、データベースをコピーするなり、クラウドストレージで共有してください。次に新たなデバイスでKeePass 2を開きましょう。

左上の「File」メニューから「Open」→「Open File」と移動してクリックしてください。

違うデバイスにコピーするなり共有するなりしたデータベースファイルを見つけて選択しましょう。選択したら「開く(O)」ボタンをクリックしましょう。

ログイン画面が開きますので、上記で設定したMaster Passwordを入力するとデータベースが開きます。

まとめ

ここまでKeePass 2のインストールから実行まで説明してきました。多少手間がかかる面もありますし、メニューが全て英語という点も問題になるかもしれません。ただ、難しい英語は無く、わりと簡単に使えるものだと分かってもらえたら嬉しいです。

近年は便利だと思っていたパスワード管理ソフトがことごとく有料化しています。無料でしっかりとパスワードが管理でき、付加情報や添付ファイルまで管理できるKeePass 2はその様なパスワード管理ソフトの代替えになると思っています。